谷保から来てくれるmusubiさんにちなんで、昔ばなしをひとつ。
小金井神社の社務所の入口近くに「力石」といわれる大きなふたつの石があります。このうちのひとつには「奉納六十五貫余・天保九年九月吉日 前原 長五郎」と刻まれています。

この石を奉納した前原町の長五郎さんは村評判の力持ち。ある日村相撲を見物しに谷保の天神様まで仲間とでかけていった。ところが見物人が多くよくみえないので、近くにあった石に登って見物していました。ところが近くにいた人から「こら!ふとどきもの!」とどなりつけられ、びっくりして飛び降りました。
その石は、天神様の神石としてしめ縄で結ばれていたのだが、そんなこととは知らず登ってしまった長五郎さん。必死に謝ったがこの石を大切にしてきた谷保の人々からなかなか許してもらえず、どうしたら許してもらえるのかと聞いたところ、「その石を持ち上げれば許す」と言われた。そこで力自慢の長五郎さんは「では持ち上げたらこの石をもらえるか」と問い返した。まさか持ち上げると思っていない谷保の人々は「よろしい」と答えてしまった。
長五郎さんは全身に力を込めて「えいっ!」と持ち上げると見事に石を持ち上げてしまった。人々は唖然と見守るだけでした。
それではこの石をもらっていくと、谷保の天神様から小金井神社まで二里半(約9キロ)の道のりを石をこもに包んで運んできたという。
小金井神社に帰ってきた長五郎さんは、石をかついだまま神社の回りを三べんまわって自分が谷保から持ってきたことを報告し、神社に奉納しました。もうひとつの小さめの石は弟の勇次郎さんが持ち上げた石とも言われています。天保9年ですから1838年のこと。今から174年も前のおはなしです。
174年経っても谷保からいただいたふたつの「神石」は、今も小金井神社で大切にされているのでした。おしまい。
『ふるさと小金井の八十年』(高橋林蔵著、昭和60年発行)より

小金井神社向かいの「中村文具店」は、オリーブガーデン会場に出店しますので、朝市終了後、お店を開けるそうです。
オリーブガーデンから少し遠いですが、文具店と力石を見に、小金井神社へもお越し下さい。
YUZURIHA
Yukie Yokosuka