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ゲストさんに聞いてみた35 [High Fidelity(ハイフィデリティ)]さん

*これは2020年4月開催のはけのおいしい朝市にご出店予定だった[High Fidelity] の小渕さんに、ご出店にあたり2020年2月にお話を伺ったものです。

*小渕さんは2020年の12月に新しくCDと本を発売されました。こちらも合わせてご覧ください。


みなさん、2000年のアメリカ映画で、ジョン・キューザックとジャックブラックが出演している[ハイ・フィデリティ]を、ご存じですか?


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トレーラーやオープニングの映像を見ただけでも、ものすごく面白そうじゃないですか???

今日ご紹介するのは、そんなレコード店が舞台の面白そうな映画と同じ名前の中古レコード店[ハイ・フィデリティ]の、僕は聞かれるより人に話を聞く方が得意とおっしゃる小渕晃さんに、cheeseworksの岡田ちひろさんと花屋ペタルの森でお話を聞いてきました。


「この映画はまだ見てないんですけど、店名はここからですか?」

小渕さん(以下敬称略)「そうです。レコード屋の人が見たら、あ、これ俺のことだ!っていう感じの、レコード好きは共感しまくれる映画です。」


ジャックブラックが劇中でカバー曲を演奏するシーンがすごくいいらしいのですがネタバレになるのでこの辺で。

ハイ・フィデリティとはハイ・ファイ、高音質を指す言葉で、もともとは元の音源を忠実に再現することを意味するそうです。


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小渕「僕はもともと音そのものが大好きで、歌詞を見たりもちろんするんだけど、音が鳴ってればなんでもいいくらいの、音好きですね。」

「それは子どものころからそういう傾向が?」

小渕「そうですね、小学校くらいからベストテン番組とか熱心に見てましたね。」

「特に好きだった歌手は?」

小渕「聖子ちゃんが好きで、でもそれは今から思うと、さっきの話とは違ってしまうけど松本隆さんの歌詞込みで好きだったんですね。」

岡田「当時の曲ってすごい人たちが作ってましたよね。」

小渕「そうそう、はっぴいえんどのみなさんなんですよね。」

*ちなみに岡田さんはアイドルの曲についてとても詳しいんです!

小渕「僕は二つ上の姉がいるんですが、その影響もありますね。僕らの世代は文学よりも音楽に勢いがあったし、とても影響を受けてると思います」

岡田「そこから洋楽の方に広がっていくんですか?」

小渕「そうですね、マイケル・ジャクソンや、ワム!ですね。バンド・ブームっていうのもあって、一回はやってますよBOOWYのコピーとか()


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小渕「父の転勤もあって三重県に住んでたんですが、大学で東京に行って、すぐにタワーレコードでバイトして、そこから洋楽をきちんと聞いていく感じですね。」

岡田「当時はタワレコのポイントがすぐたまりましたもんね。」

小渕「そうそう。タワーレコードの渋谷店にいたんですが、当時はダンスブームで、МC・ハマーとかボビー・ブラウンとか。会社終わりの6時ぐらいになると3台あるレジに行列ができて、1人で何枚も買っていく、CDが売れてる時代でしたね。その頃のタワレコには今、音楽評論家になってる人が何人もいましたね。」

「学生の時は主にタワレコでバイトしてっていう感じで過ごされて?」

小渕「その後、インクスティック鈴江ファクトリーというライヴハウスでバーテンもやってました。でも就職は、音楽の仕事は好きすぎてやめようと思って、全然違うところに就職したんだけど、入って2か月でやめましたね~。」

「はやい!」

小渕「その後は業界紙の『ミュージックラボ』というところに入って、初めて音楽関連の編集仕事をやったんです。」


その業界誌ではチャートを作りをされていたそうで。全国のレコード屋さんに電話をして何が何枚売れているかを聞いていくというアナログなもの。それを電卓で集計してチャートを作っていたそうです。


小渕「それからレコードショップCISCOに入れてもらったんです。昼間はレコード店で働いて、夜はDJでクラブでレコードを回して、次の日は中古盤店でレコード探し、という人達ばかりと過ごした、レコード漬けの毎日でしたね。」


90年代の渋谷・宇田川町は世界一レコードが売れる地だったといいます。


小渕「あの頃はCDとかレコードを買うことが流行りのライフスタイルでもあって、楽しかったんですね。」

岡田「ジャケ買いしたりとかしてたよね。」


レコードやCDを買うと、解説が書かれてあったり、ミュージシャンのクレジットがあったり、グラフィックがかっこよかったりして、それもまた嬉しいものです。


小渕「レコードを買うだけでこんなに楽しいんだということを伝えたいな、もっともっと多くの方に知ってほしいなという思いはありますね。」


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そしてさらに、音楽雑誌をつくりたいなという思いを叶えるべく、『bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)』の編集部に入ることになります。


小渕「僕はヒップホップを担当してました。ロックの世界は書く人がとても多かったけど、ブラック・ミュージックは書く人が少なくて。やりがいがありましたね。」

「担当してたこともあって、ヒップホップをがっつり聞いていくんですか?」

小渕90年代はヒップホップが特に面白くて。流行っていて、CDも売れてたんですが、僕は流行ってる音楽が好きなんです。チャートの1位の。流行ってるものってそれなりの良さ、理由があるから、流行ると思うんですよね。」


クラブで聞いたATribeCalledQuestの”CanIKickIt?”が、LouReed の”WalkOnTheWild Side”をサンプリングしてるのを聞いて、なんだこれは!となったそうです。


小渕「ヒップホップは、サンプリングで新しいのも古いのもmixして、さらに新しい曲を作っていくのがとても面白い。サンプリングねたを探すことで古い、良いレコードにもたくさん出会って、レコード好きにはたまらないカルチャーでしたね。」

「聞く場所もカーステで聞くのと家で聞くのと、仕事中に聞くのとまた違って聞こえてきますよね。」

小渕「それとてもよくわかります。ロサンゼルスのヒップホップとかは車で聞くことを想定して作ってたり。だからヒップホップは一度は車で聞いて欲しいですね、全く違う聞こえ方がしますよ。」

「小渕さんは音楽にかかわっていって、ミュージシャンというよりは書く方を選んで行かれたんですね。」

小渕「そうです、楽器の練習は全くしなかったし(笑)。自分が好きな音楽を紹介する、聞いてもらうことが、自分がやりたいことだなと。」

「そうすると、ラッパーやミュージシャンにインタビューとかもされたり?」

小渕「97年から2009年まで『bmr』編集部にいて、スヌープ(・ドギー・ドッグ)とかビヨンセとかビッグな人たちにも会うことができて。」

「ビヨンセにも!」

小渕「まだデビュー前の、16歳のころのビヨンセに会いましたね。」


他にもいろいろなミュージシャンに会われてお話されて、本当に好きなことをお仕事にされていたようです。


小渕「週に一回はライブに行って、インタビューしてということを長年していましたが、今はそういう仕事自体もなくなりましたね。」


CDが売れなくなって、昔のようにお金をかけたプロモーションが出来なくてなって、広く知ってもらえなくなっただけで、今もちゃんと面白いミュージシャンはいる。音楽は見えない分、ある程度聞く練習というか、ちょっと頑張って聞いていかないと、その先の深い面白さに触れるところまでいかないかも、という小渕さん。


小渕「先ほども話に出たように音楽って、車で聞くのとヘッドフォンで聞くのでは聞こえ方が違うように、聞く環境によって感じ方はかなり違って。で、僕はレコード=アナログ盤で聞くのが一番好きなんです。レコードの音は耳に柔らかいというのは、科学的にも説明できるんですね。デジタル音源は一番高いところと低いところ、人の耳に聞こえないとされているところがカットされているんですが、人間の耳はそんなに単純じゃなくて、そこカットしちゃだめでしょって。」


実を言えば、VHSのテープ音源が一番いいとも、教えくれました。


小渕「レコードの音で聞いてほしい、音楽をより深く楽しんでほしいという思いがあるので、レコード屋さんをやるんです。レコードを一度も聞いたことがない人に、ぜひ一度聞いてほしいですね。CDではわからなかった音楽の良さが、レコードだとわかるという人もいると思うんです。レコード屋さんは、多くの人にレコードを聴いてほしいと思ってる人がやっていて、人におすすめするのが好きな人たちばかりですから、気軽におすすめを訊いてほしいですね。」

小渕「今はヒップホップといろんなジャンルがミックスされてるし、シティ・ソウルという打ち出しで、ソウルやAOR、ブルー・アイド・ソウルの今おすすめできる曲をチョイスして、シティ・ポップ好きの方にも、こういうのを全部混ぜて聞いたら面白いですよって紹介する本を出版したり、それに関連したCDを出したりしています。」


書籍『HIPHOPdefinitive1974 - 2017』小渕晃・著(ele-kingBooks)

http://www.ele-king.net/books/005719/


書籍『シティ・ソウルディスクガイド シティ・ポップと楽しむ、ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル』小渕晃・編・共著(DUBOOKS刊)

https://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK220


CDシティ・ソウル:フューチャーズ〜トゥデイズ・ソウル、AOR& ブルー・アイド・ソウル

CDシティ・ソウル:アヘッド〜トゥデイズ・ソウル、AOR&ブルー・アイド・ソウル

どちらも、小渕晃・選曲・解説(Pヴァイン)

http://p-vine.jp/music/pcd-18842

http://p-vine.jp/music/pcd-18868


ライター・編集をメインにお仕事をされていて、レコード屋さんとしてはなんと、はけ市でのみ営業!

そんな音楽を、音を愛する小渕さんおすすめのレコードを無理やり3絞ってもらいました

BillLaBountyBillLaBounty』(1982年)

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アナログ・レコードの世界って、1982年で一度、完成、完結しているという言い方があるんです。1983年からはデジタル・レコーディングが本格導入されていくので、それまでとは音が明らかに変わっていったんですね。なので1982年のレコードは、アナログ・レコーディング〜アナログ盤プレスの30年あまりの歴史の集大成で、とにかく音がいい名盤揃い。マイケル・ジャクソンの『Thriller』ーー僕はこれが世界で一番音がいいアナログ・レコードと思いますーーや、山下達郎さんの『ForYou』などが1982年盤の代表ですね。このビル・ラバウンティは玄人好みの、アメリカのAOR/ブルー・アイド・ソウルマンですが、1982年に出したアルバムはいい曲、いい演奏、いい歌、いい音と、何拍子も揃った「ザ・名盤」です。


TajMahalSatisfied'NTickledToo』(1976年)

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タジ・マハールさん、御歳77は、知らないという人には僕が必ずおすすめする、音楽のマスターです。ジャンル分けが難しい音楽って、紹介しにくい〜売りにくいので日本では「知られざる大物」になってしまう人も多くて、タジさんはまさにそれです。ブルースと括られてしまうことが多いですが、このアルバムではソウル、ファンク、ジャズ、レゲエ、アフリカ音楽などをミックス。特に70年代の細野晴臣さんが好きな人なら間違いない、心地よくて奥深い極上のチャンプルー音楽が聞けます。


DanielLanois/Rocco DelucaGoodbyeToLanguage』(2016年)

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僕は起きている間はず〜っと何かしら音楽を流しているんですけど、歌があると意識がそちらに行きすぎてしまうので、仕事中などは歌なしの、インスト音楽をよく聞きます。近年また流行っているアンビエントは、無音の状態よりもリラックスできて、仕事もはかどると言われているので、ぜひ試しに聞いてみて欲しいです。ブライアン・イーノの『Ambient1:MusicForAirport』が元祖にして鉄板ですが、その相棒ダニエル・ラノワの近作『GoodbyeToLanguage』もぜひ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『Loveless』などが好きな人にもおすすめです。


4月のはけのおいしい朝市に持ってきてくださるレコードはどんなものでしょう?


小渕CDを持っている方にもレコードでぜひ聞いてほしいものや、安くて見過ごされがちだけど実は良いもの、それと、ヒップホップでサンプリングされているとか、カヴァーされて有名な曲の元ネタなどをお持ちしたいと思っています。」
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当日、試聴していただくこともできます。

とても楽しみですね!

音楽大好きな人も、しばらく音楽を聞いていなかった方も、今まであまり音楽を聞いてこなかった方にも、楽しんでいただけると思います。

ぜひこの機会に音楽を楽しんでみませんか?


HighFidelity(ハイ・フィデリティ)小渕晃さん

小渕さんのTwitter https://twitter.com/akirakobuchi


お話を聞いた人(cheeseworks)岡田ちひろさんと(Flowers&PlantsPETAL)森このみ







by hake-ichi | 2021-01-18 01:38 | ゲストさんに聞いてみた | Comments(0)


  


by hake-ichi

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